わが子がこれから通う保育園。どんな園が良いだろうと調べていると、園ごとの活動や特色に目が向きますよね。「いろいろな経験をしてほしい」と期待が膨らむ一方で、何を基準に選べば良いか迷うこともあるのではないでしょうか。
園の活動や特色と一緒に考えておきたいのが、入園後の毎日です。子どもを保育園に送って仕事に行き、仕事が終わったら迎えに行く。家に帰ってからは、翌日の準備もあります。その生活を無理なく続けられるかどうかが、園選びの土台になると私は考えています。
現在も保育士として働く私が、わが子の園選びの経験も交えながら、見学の際に確かめたいことを紹介します。
毎日の送迎と預かり時間を確かめる

わが家では、送迎はほぼ私が担当するだろうと考え、自宅近くだけでなく通勤路にある園も見学しました。
見学した中には、追加料金で外部講師による体操やピアノなどを習える園もありました。習い事の送迎の必要がなく、子どもの経験の幅を広げられる点は大変魅力的でした。
ただ、その園では、周辺の道の細さや、駐車場の停めづらさが気になりました。毎日の送迎で「今日はスムーズに車を停められるかな」と気を張るのは、負担になりそうだと感じたのです。
最終的にわが家が選んだのは、自宅から一番近い公立の園でした。徒歩で送迎できるため、行事で駐車場が混み合う日や大雪の日も、車で園へ向かわずに済みます。渋滞に巻き込まれることもなく、自宅からの近さが日々の気持ちの余裕につながっていると実感しています。
園の取り組みだけでなく、実際に送迎する人の通勤経路や、朝の出発から夕方のお迎えまでを思い描いてみてください。「この通い方なら続けられそう」と思えることも、園選びの大切な理由の一つです。
預かり時間については、書類の記載だけではわからないこともあります。私は、19時まで預かり可能と書かれていた園で、「基本的には18時までのお迎えをお願いしている」と説明を受けたことがあります。
見学の際に、勤務時間や通勤にかかる時間を伝え、希望する時間帯に利用できるかを聞いてみましょう。延長保育の利用条件や料金も確認すると、仕事と送迎を無理なく続けられそうかを考えやすくなります。
行事のバランスと家庭での準備
保育参観や親子遠足など、保護者が参加する行事の回数や開催曜日がわかると、仕事の調整がしやすくなります。来年度の予定が未定の場合は、今年度やこれまでの開催状況を聞くと参考になります。
保護者が参加しない行事も含め、年間行事の回数を知ることは、子どもが園でどう過ごすかを考える手がかりになります。
私自身が保育士として働く中で、たくさんの行事が続くと、子どもたちが自由に遊ぶ時間が短くなることもありました。発表に向けて、先生と何度も練習したり、準備をしたりする時間が増えるためです。
行事を楽しみにする子もいれば、人前での発表が苦手な子もいます。子どもが一つの遊びにじっくり没頭するのが好きなら、自由に遊べる時間がどのくらいあるかも気になるところです。行事に向けて取り組む時間と自由に遊ぶ時間のバランスが、子どもに合っているかを考えてみてください。
行事の多い園では、「この行事では、どんなことを大切にしていますか?」と聞いてみるのも良さそうです。先生の話を聞きながら、子どもの好きなことや苦手なこと、経験してほしいことなどを重ねて考えてみてください。
また、行事だけでなく、持ち物やお弁当など、家庭でどのような準備をするのかも聞いておきましょう。手提げ袋やランチョンマット、布団カバーなどは、サイズの指定があるか、市販品で良いか、手作りする必要があるかを確認しておくと、入園前の準備を進めやすくなります。
お弁当を用意する日がどのくらいあるかも、確認しておきましょう。いつもより早起きをしてお弁当を作る負担も含め、自分の仕事がある日の朝に準備できそうかを考えてみてください。
園とのやりとりから知る子どもの姿
子どもが園でどのように過ごしているのか、保護者としては気になりますよね。特に小さいうちは、「今日は何をしたの?」と聞いても、一日の様子を十分に知るのは難しいものです。
わが子の園では、週に1回ほど、クラスの活動の様子を写真付きで配信してくれます。楽しそうな表情や友達と過ごす姿を見ると、保護者としてほっとします。
私の娘が2歳の頃、家では靴下を私のところへ持ってきて「お手伝いして!」と言っていました。ところが、園からの活動配信で友達と並び、まねをしながら自分で靴下を履こうとしていることを知りました。家でも写真を見せて「友達と一緒に靴下を履いているの? すごいね」と話しかけると、娘も自分で履こうとする姿を見せてくれるように。園での様子が、家庭での声のかけ方を考えるヒントになりました。
見学では、連絡帳は手書きかアプリか、活動の様子はどのような内容・頻度で共有しているかを聞いてみてください。家庭からの連絡のしやすさや、子どもの園生活を知る機会がどのくらいあるかを知る材料になります。
普段のやりとりに加えて、体調不良時の連絡方法も聞いておけると安心です。子どもの発熱などで園から連絡が来る基準や、お迎えが必要になる目安を確認しておきましょう。熱性けいれんなどの既往歴がある場合は、事前に園へ伝え、対応について相談しておくことも大切です。
親子で感じる園の居心地

子育てサロンや園開放日を利用して、子どもと一緒に入園を希望する園で過ごしてみると、日々の園生活をイメージしやすくなります。子育てサロンの開催日に園見学もできる場合があるので、園のホームページなどで日程や実施内容を調べてみてください。
私も園選びの際に子育てサロンを利用したことで、子どもと遊びながら、保育室の居心地や先生たちの雰囲気を知ることができました。
見学した園の一つに、手作りのおもちゃが壊れかけたまま置かれているのが気になったことがありました。普段、子どもたちがどのようなおもちゃで遊び、どのような環境で過ごしているのかにも目を向けたいと思いました。
保育室では、子どもの人数に対して、遊ぶ場所にゆとりがあるかを見てみてください。ごっこ遊びや運動遊びのスペース、絵本コーナーなど、遊びに合わせて場所を分ける工夫にも注目してみましょう。遊んでいる子どもたちの姿も見ながら、自分の子どもが落ち着いて好きな遊びを楽しめそうか、想像してみると良いでしょう。
室内だけでなく、園庭や散歩先での遊び、自然に触れる機会についても聞いてみましょう。
先生同士のやりとりも、私が気にかけるところです。例えば、先生が別の先生に準備をお願いする場面。どのような調子で声をかけ、相手がどう応じているかにも目を向けてみてください。保育士として働く中で、必要なことを伝え合い、協力して動けることは、子どもを安全に見守り、一人ひとりに寄り添ううえでも大切だと感じてきました。
短い見学ですべてを判断するのは難しいものです。家庭によって、園選びで優先したいことも異なります。それぞれの家庭で大切にしたい条件を整理し、気になる点を先生に尋ねてみてください。
子どもにいろいろな経験をしてほしいという願いも、毎日の送迎や準備を無理なく続けたいという気持ちも、どちらも大切にして良いと思います。子どもも保護者も、安心して通い続けられる園に出会えるといいですね。
(ママライターA)

