ヘルスケア 0〜2歳 3〜6歳 小学1〜3年 小学4〜6年

【第5回】歯科ミントクリニックの先生に聞く!大事な歯の話

この連載では毎月、歯科医師が歯の健康について分かりやすくお届けします。

毎日の子育てや妊娠生活の中で「知っておくと安心できること」「今だからこそ大切にしてほしいこと」などを学べる記事になっています。 今回は、子どもの一生の口の健康を左右すると言っても過言ではない、「6歳臼歯」のお話です。

歯科ミントクリニック

院長 竹島 健太郎

2002年 鶴見大学歯学部卒業。2004年 横浜総合病院に非常勤歯科医師として勤務。

2007年 歯科アールクリニック勤務を経て、2010年に歯科ミントクリニックを開院。

インディアナ大学客員研究員。日本補綴歯科学会会員、日本臨床歯科学会会員(SJCD)、日本顕微鏡歯科学会会員。Er:YAGレーザー臨床研究会所属。

インビザラインライセンスドクター。臨床歯科麻酔管理指導医。そのほか、各種学会・研究会に所属。

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6歳臼歯ってなに? 生え始めの永久歯のケア方法・見つけ方
〜一生使う大切な歯が、今、口の中で顔を出しています〜

毎日の子育て、本当にお疲れさまです。
今回は、6歳前後の子どもを持つママ・パパにぜひ知っておいていただきたい「6歳臼歯」の話です。「なんとなく聞いたことはあるけれど、よくわからない……」という方も多いのではないでしょうか。
実はこの歯は、子どもの一生の口の健康を左右すると言っても過言ではない、とても重要なものなのです。

6歳臼歯とは、どんな歯?

6歳臼歯とは、6歳前後に生えてくる最初の永久歯の奥歯のことです。正式には「第一大臼歯」と呼ばれます。

最大の特徴は、乳歯が抜けて生えてくるのではない、ということ。それまであった乳歯の一番奥のさらに後ろから、静かに、気づかないうちにひょっこりと顔を出してくるのです。そのため「歯が抜けていないのに、奥に何か生えてきた」と驚く家庭も少なくありません。

この歯は、大人になっても口の中で最も大きく、最も噛む力がかかる歯です。食べ物を噛み砕くとき、歯全体のかみ合わせを決めるとき、6歳臼歯はいつも中心的な役割を担っています。

まさに「噛む力の要(かなめ)」とも言える存在です。

「もう生えているかも?」を確認する方法

6歳臼歯が生え始める時期には、個人差があります。早い子どもでは5歳台から、ゆっくりな子どもでは7歳を過ぎてから生えてくることもあります。「うちの子、まだかな?」と焦る必要はありません。

気になる方は、一度子どもの口の中をのぞいてみてください。

子どもに大きく口を開けてもらい、一番奥の乳歯のさらに後ろを確認します。白く硬そうな歯の頭が少しだけ顔を出していれば、それが6歳臼歯です。「なんだかぐらぐらしているような気がする」「歯ぐきが盛り上がっている」という場合も、生え始めのサインかもしれません。

生えたばかりの歯が、最も虫歯になりやすい

実は、歯は生えてから2〜3年の間が、最も虫歯になりやすい時期です。これは、歯の表面(エナメル質)が完全に成熟するまでに時間がかかるためで、生えたての歯はまだやわらかく、酸や細菌に対してデリケートな状態にあります。

さらに、6歳臼歯には深い問題があります。

この歯は表面の溝がとても深く、複雑な形をしています。乳歯と比べてもひと目でわかるほどでしょう。この深い溝の中に食べカスや細菌が入り込むと、歯ブラシの毛先がなかなか届かず、虫歯ができ始めてしまうのです。

加えて、口の一番奥にあるため、磨き残しやすい場所でもあります。子ども自身での歯磨きではどうしても届きにくく、親による「仕上げ磨き」がとても大切になる時期です。

歯科医院でできる、心強い予防のケア

「溝が深くて磨けないなら、どうすればいいの?」という場合は、この時期の子どもに特化した歯科医院での予防処置があります。

シーラント
シーラントとは、歯の深い溝をプラスチックの樹脂で埋めてしまう予防処置です。溝をふさぐことで食べカスや細菌が入り込まなくなり、虫歯のリスクを大幅に下げることができます。削ったり麻酔をしたりする必要はなく、痛みのない処置なので、子どもへの負担はほとんどありません。

6歳臼歯が生えてきたタイミングで行うのが理想的です。

フッ素塗布
フッ素は、歯の表面を強くし、虫歯菌が産生する酸への抵抗力を高める働きがあります。歯科医院でのフッ素塗布は、市販の歯磨き粉に含まれるフッ素よりも濃度が高く、より効果的です。

6歳臼歯が生え始めたら、定期的な検診のなかでフッ素塗布を行っていくことをおすすめします。

この時期に虫歯になると……

冒頭でお伝えした通り、6歳臼歯は一生涯にわたって使い続ける、口の中で最も大切な歯の一つです。

もし、この歯が小さいうちに大きな虫歯になってしまうと、神経の治療や歯を大きく削る治療が必要になることがあります。一度削った歯は元に戻りません。また、6歳臼歯は全体のかみ合わせに深く関わっているため、この歯のダメージは他の歯や顎の発育にまで影響が及ぶことがあります。

「まだ小さいし、虫歯になっても永久歯に生え変わればいい」。そう思いがちですが、6歳臼歯はすでに永久歯です。生え変わることはありません。だからこそ、生え始めのこの時期に守ることが、何十年先の歯の健康につながるのです。

最後に

「6歳臼歯が生えてきたかも?」と気づいたとき、それは子どもの歯の一生を守る大切なスタートラインに立った瞬間です。

ぜひその機会に、かかりつけの歯科医院に相談してみてください。シーラントやフッ素塗布はもちろん、磨き方の指導や生え方の確認など、歯科医院は子どもの歯の成長を一緒に見守るパートナーです。

口の中を少しのぞいてみるだけで、大切な歯との大事な出合いが待っているかもしれません。まずは、今夜の仕上げ磨きのときに確認してみてくださいね。

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