学び 小学1〜3年 小学4〜6年

【第2回】学研教室の先生に聞く! 大事な学習の話

この連載では、地域で子どもたちの学びと成長に長年寄り添ってきた学研教室の先生が、子育ての悩みや毎日の生活の中で「知っておくと安心できること」「今だからこそ大切にしてほしいこと」を分かりやすくお届けします。

今回は、新1年生が直面しやすい鉛筆の持ち方の悩みや親子で笑顔になれるやさしいサポートのコツについてお伝えします。

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「字が雑」「すぐ疲れる」は鉛筆の持ち方が原因かも?

子どもの書く字がなんだか雑……。
宿題をすると、すぐ「手が疲れた」と言う。
気づいたら、鉛筆をぎゅっと握っている。

新学期から少し時間が経った6月頃、このような悩みを感じる保護者の方が増えています。
4月頃は、学校に慣れることに精一杯だった子どもたち。5月を過ぎ、少しずつ生活リズムが整ってくると、宿題や文字を書く機会も増えてきます。

この時期だからこそ、一度見直しておきたいことがあります。それが、鉛筆の持ち方です。

「今さら直せるの?」「そこまで重要なの?」「字が書けていれば大丈夫じゃない?」と思う方もいるかもしれません。
でも、鉛筆の持ち方は“字”だけの問題ではありません。

これから続く長い学びの土台に関わる、とても大切な習慣の一つなのです。

鉛筆の持ち方は、学び方につながっている

鉛筆の持ち方と聞くと、多くの方が字をきれいに書くことに関わると思われるかもしれません。もちろん、それも理由のひとつです。
しかし、本当に大切なのは、気持ちよく学べる状態をつくることです。

たとえば、正しい持ち方が身につくと以下のような良い変化が現れます。
・余計な力が入りにくい
・疲れにくい
・長い時間書いても手に負担が少ない
・筆圧が安定する
・文字のバランスが整いやすい

反対に、持ち方にクセがあると、必要以上に手に力が入ったり、腕や肩まで疲れてしまったりすることがあります。すると、「字を書くのが嫌」「宿題が面倒」と感じやすくなることも。

つまり、鉛筆の持ち方は、単なるマナーではなく、学習への向き合いやすさに関係するのです。

変な持ち方=ダメではありません

ここで、一つ安心していただきたいことがあります。もし今、子どもの鉛筆の持ち方が少し気になっていても、焦る必要はありません。

6月は、むしろちょうど良いタイミングです。なぜなら、まだクセが完全に定着する前だからです。

低学年のうちは、身体の使い方が発達途中。手先の動きも少しずつ成長している段階です。
だからこそ、「直さなきゃ!」と厳しく矯正するよりも、自然に整えることがとても大切です。

実際に、強く注意されることで「また言われる……」「字を書くの嫌だな」と、勉強そのものを苦手に感じてしまうケースもあります。

目的は、“完璧な持ち方”ではありません。
書きやすい、疲れにくい、続けやすい状態をつくることです。

こんなサインがあれば、見直しのタイミングかも

では、どんなときに「持ち方を見直してみようかな」と思えばよいのでしょうか。

例えば、こんな様子はありませんか?
✔ すぐ「疲れた」と言う
✔ 鉛筆を強く握りしめている
✔ ノートに穴が開きそうなくらい筆圧が強い
✔ 消しゴムで消しづらそう
✔ 字を書くのを嫌がる
✔ 宿題でイライラしやすい
✔ 姿勢が崩れやすい

もちろん、一つ当てはまったから問題というわけではありません。
でも、もし複数思い当たるようなら、少しだけ鉛筆の持ち方を意識してみる価値があるかもしれません。

家でできる、やさしいサポート

ここで大切なのは、指摘ではなく伴走です。
つい、「違う違う!」「何回言ったら分かるの!」「ちゃんと持ちなさい」と言いたくなること、ありますよね。でも、子どもにとって正される経験が続くと、前向きな気持ちはどうしても小さくなってしまいます。

おすすめは、少し言い方を変えること。
例えば、

✕「違う持ち方!」
〇「その持ち方、疲れないかな?」

✕「ちゃんと持ちなさい」
○「ママ(パパ)みたいに3本指でやってみる?」

✕「また変な持ち方してる!」
○「持ちやすい方法、一緒に探してみようか」

ほんの少し言葉を変えるだけで、子どもの受け取り方は大きく変わります。もし上手に持てた日は、「お、今日いい感じ!」「前より持ちやすそうだね!」と、小さな変化を認めてあげてください。子どもは、注意より認められることで伸びていきます。

きれいな字より先に大切なこと

保護者の方から、「字がきれいじゃなくて……」「このままで大丈夫でしょうか」という声をいただくことがあります。でも、低学年のうちは、先に大切にしたいことがあります。

それは、書くことが嫌いにならないことです。

学びは、積み重ねです。
これから何年も学びの時間が続いていく中で、「書くって苦じゃない」「勉強ってそんなに嫌じゃない」と感じられることは、とても大きな財産になります。

そのためにも、まずは無理なく書ける姿勢や持ち方を整えること。それが、長い目で見た時の学ぶ力につながっていきます。

6月は、今なら間に合う時期

6月は、学校生活に慣れ始める一方で、習慣が少しずつ定まっていく時期でもあります。だからこそ、今が見直しのチャンス。とはいえ、完璧を目指さなくて大丈夫です。急に直そうとしなくてもいい。少しずつでいい。

「今日は少し持ちやすそう」「前より頑張ってるな」。
そんなふうに、小さな変化を一緒に喜んでいけたら十分です。

きれいな字を書くことより、まずは気持ちよく学べること。鉛筆の持ち方は、その小さな土台の一つなのかもしれません。毎日の宿題の時間にほんの少しだけ、子どもの手元を見てみませんか。

未来の「学ぶ力」は、そんな小さな習慣から育っていくのかもしれません。

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