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海水浴シーズン到来! 子どもの水難事故を防ぐために

この夏、水遊びを計画している人も多いのでは?

立山連峰からの豊かな恵みを受け、美しい海と清らかな川が身近にある富山県。夏休みには、家族で海水浴や川遊び、バーベキューなどが気軽に楽しめます。

警察庁の統計によると、令和7年7〜8月のわずか2ヵ月間だけでも、富山県内で6人が水難に遭い、5人の尊い命が失われています。さらに年間を通して見ると、富山は河川や用水路での事故が非常に多く、過去には人口規模に対して水難死者数が全国上位になった年もあります(※1)。

「まさか、こんな浅い場所で」「いつも遊んでいる場所だから大丈夫」という小さな油断が、思わぬ悲劇につながります。

体も小さく体力もない未就学児、行動範囲が広がり活動的になる小学生。それぞれの年齢で潜むリスクは異なります。海上保安庁が公開している「ウォーターセーフティガイド」をもとに、安全な海デビュー・海遊びの心得を親子で確認しましょう。

子どもから離れない・目を離さない

子どもの年齢によって、大人が意識すべきポイントは変わります。

【未就学児(0〜6歳)】見守るではなく、手が届く距離が鉄則

静かに溺れることを知る
子どもが溺れてしまったときは、暴れたり「助けて!」と大声をあげたりすることができません。静かに、一瞬で沈んでしまいます。

・少しの油断も禁物
「波打ち際でチャプチャプしているだけだから」「テントから見えているから」と油断するのは本当に危険です。スマートフォンの操作や荷物の整理、きょうだいの世話などでほんの数秒目を離した隙に、波に足をすくわれてしまうことがあります。海には大人が先に入って沖側に立ち、いつでも子どもの体を支えられる距離をキープしてください。

【小学生(1〜6年生)】「泳げるから大丈夫」という過信の罠

プールと海はまったく別物
「スイミングスクールに通っているから」「学校のプールで泳いでいるから」は、海では通用しません。海にはプールにない波や強風、そして突発的な流れがあります。

「高学年だから」と一人にしない
「もう大きいから一人で大丈夫だろう」と、保護者が砂浜のテントから見守るだけでは大変危険です。海に入るときは必ず大人が一緒に付き添い、異変にすぐ気づける距離にいてください。

帰り支度中やサンダルが流された時が危ない
荷物の片付けなどで、親の目が離れた隙に子どもが海に近づいて流される事故が発生しています。また、流されたサンダルや浮き輪を追いかけて沖に出てしまうケースも多いため、子どもに流されたものは絶対に追わないと言い聞かせておきましょう。

泳いでよい場所か確認を

「水がきれいで静かだから」「穴場のスポットだから」といって、遊泳区域以外に入り込むのはやめましょう。開設された海水浴場であることが絶対条件です。

開設された海水浴場には、夏のシーズン中、万が一の事態に備えてライフセーバーや監視員が見守っています。また遊泳区域には、水上オートバイなどが進入してこないよう、ブイやネットでガードされているため、子どもを安心して遊ばせることができます。

監視員のいない海岸や、開設期間外の場所で溺れてしまった場合は、周囲に異変を知らせたり、すぐに助けに飛び込める人がいません。通報や救助が遅れることは、そのまま命の危険に直結します。

お出かけ前には必ず自治体の公式サイトなどで最新の開設状況を確認し、守られている安全なエリアへ足を運んでください。

命を守る装備を万全に

「海水浴でライフジャケット?」と思うかもしれませんが、子どもの海遊びには必須のアイテムです。子どもは波打ち際であっても簡単に足をすくわれますし、引き波で一瞬にして10メートル以上も沖へ流されてしまうことがあるからです。

水難事故に遭った際、ライフジャケットを着ていた人の生存率は約85%ですが、着ていない人では約50%まで落ち込んでしまいます(※2)。海はもちろん、川や池などの水辺へ行くときは「必ず着用する」を我が家のルールにしましょう。

ライフジャケット着用の注意点

・股ベルト付きを選ぶ
子どもは体が小さいため、水に入った勢いでスルッと体が抜けてしまいがちです。落水を防ぐため、必ず股ベルトを通して固定できるタイプを選んでください。

・お出かけ前に点検を
生地が破れていたり、バックルが壊れたりしていないか、使う前に必ず大人が確認しましょう。

・浮き輪を過信しない
浮き輪はあくまで「ぷかぷか浮かんで楽しむ遊具(フロート遊具)」です。手を離せば簡単に流されてしまうため、命を守るライフジャケットの代わりにはなりません。
さらに、日差しや岩場でのケガからデリケートな肌を守るためには、ラッシュガードの着用が効果的です。特に富山湾周辺では8月15日のお盆前後からクラゲが多くなると言われているため、お盆以降の海遊びには長袖・長ズボンタイプのラッシュガードが推奨されます。

<富山県民対象ライフジャケット購入助成制度>

富山ライフセービングクラブでは、富山県在住者を対象にライフジャケットの購入費用1着あたり2,000円(2,000円未満の場合はその金額)を助成しています。3カ月以内の購入レシートまたは購入履歴がわかるものと、着用している写真を申請フォームから送信すればOK。詳しくはHP(https://toyama.rdy.jp/)をご確認ください。

天候・波・潮流を把握し、泳いでよいかの判断を

遊泳に適した海の状態は、平穏な波、無風あるいは海から陸に向かって弱い風が吹くときであり、気象条件や時間帯によって変わります。

風は、昼間は海から陸へ吹くことが多いですが、気圧配置や地形によっては陸から海へ吹き、風速2m/sでも瞬く間に沖へ流されることがあります。特にフロート遊具は風の影響を受けやすいため、風が強いと感じたら使用を控えましょう。

波の高さは天気予報で1mと言われていても、1,000回に1回は2m近い波が発生する可能性があり、油断は禁物です(※3)。

遊泳中に悪天候になると、落雷に遭ったり、波にさらわれたりする危険性が高くなります。 特に夏は、晴天だったとしても数十分後に嵐になることも。事前に天気予報をチェックし、現地でも急に空が暗くなる、積乱雲が発達する、風が強くなるといった天候急変の予兆があれば、すぐに遊びを切り上げて屋内に退避しましょう。

また、岩場に渡って遊んでいたところ、潮が満ちて砂浜に戻れなくなる事故も発生しています。事前に満潮時刻を調べておきましょう。

知っておきたい「離岸流(りがんりゅう)」
離岸流とは、沖に向かう強い流れのことで、いったん巻き込まれると競泳選手でも流れに逆らって泳ぐのは難しいと言われます。 幅10~30m程度とされ、沖に流された場合は海岸と平行に泳いで離岸流から脱するか、落ち着いて楽な姿勢で救助を待ちましょう。

もしもの時の備え

危険が迫ったら呼吸の確保と「助けてサイン」

離岸流に巻き込まれた、足がつったなど身の危険を感じたら、まずは落ち着いて浮き、呼吸の確保を。呼吸が確保できたらライフジャケットに付いた笛を吹いたり手を振ったりして、周囲の人に救助を求める「助けてサイン」を送りましょう。

溺れている人を見たら、無理に助けず118番!

万が一、溺れている人や流されている人を見つけた場合は、二次災害を防ぐためにも絶対に大人が無理に飛び込んで助けようとしないでください。速やかに近くの監視員やライフセーバーに知らせるとともに、海の警察・海上保安庁「118番」へ通報してください。

危険な海洋生物に刺されたら

クラゲなどの海洋生物に刺された場合は、慌てずにすぐに海から上がりましょう。
一般的なクラゲ(アンドンクラゲなど)の場合は真水(水道水)で洗うのはNGです! 患部を真水で洗うと、肌に残った毒針が刺激されてさらに毒が飛び出し、痛みが悪化してしまいます。必ず海水を使って、残った触手を優しく洗い流してください。
ただし、青くて風船のような形をしたカツオノエボシに刺された場合は、海水をかけると逆効果になるため、触手をこすらずにピンセットなどで取り除きます。

しっかり洗い流した後は、氷や冷水で患部を冷やすと痛みが和らぎます。 アレルギー反応(アナフィラキシーショック)を起こす可能性もあるため、体調に異変がないか注意深く観察し、早めに皮膚科などの医療機関を受診しましょう。

熱中症の予防と、かかってしまったときの対処

体温調節が苦手な小さな子どもや夢中になって遊ぶ小学生は、自分の疲れや暑さ・寒さに気づきにくいものです。水の中であっても熱中症には要注意。大人がこまめな休憩を促し、水分補給を徹底しましょう。体調がすぐれないときは海に入らないようにさせることも大切です。また、日差しが強く砂浜はやけどするほど熱いため、帽子、日焼け止め、サンダルも必須です。

顔のほてりやめまい、だるさなど熱中症のサインが出た場合は、海から上がり、日陰や冷房の効いた車内、休憩所に移動しましょう。移動後は体を冷やし、水分補給を。自力で飲めない、意識がもうろうしている場合は、すぐに医療機関を受診するか救急車を呼んでください。

お出かけ前にチェック!

海へ出かける前に、ぜひ家族で海の安全知識を学べるサイトをチェックしてみてください。海の危険や身を守るための具体的な方法が分かりやすく解説されています。

海上保安庁ウォーターセーフティガイドはこちら

知識と装備を万全にして、楽しい思い出を作ってくださいね。

協力:海上保安庁