妊娠や出産を機に、これまでの仕事を続けられなくなり、「この先、どんな働き方をしよう?」と立ち止まるママは少なくありません。
妊娠をきっかけに仕事を辞め、出産後に失業手当を受けながら職業訓練を受けたママライターが、その体験をまとめました。
職業訓練(ハロートレーニング)とは?
職業訓練とは、再就職やスキルアップを目的として、国や自治体が支援してくれる公的な職業訓練制度です。
厚生労働省では、この制度を「ハロートレーニング」という愛称で紹介しています。
主な特徴は、
・受講料は原則無料(※テキスト代などは自己負担)
・条件を満たせば、失業手当を受けながら受講できる
・未経験の分野にもチャレンジしやすい
「一度仕事を離れたけれど、もう一度働きたい」「子育てと両立できる仕事を考えたい」という人たちの再スタートを支えてくれる制度です。申し込みや相談は、最寄りのハローワークで行います。
富山で受けられる職業訓練の種類
富山県内でも、ハロートレーニングとしていくつかの種類の職業訓練が実施されています。
公共職業訓練(施設内訓練)
富山県技術専門学院やポリテクセンター富山などの施設で行われる訓練です。
訓練期間は数カ月〜1年程度。
ものづくり、建設、事務、介護など、仕事に直結する専門的なスキルを身につけることができます。
公共職業訓練(委託訓練)
富山県が民間の機関に委託して実施する訓練です。
訓練期間は1カ月〜6カ月程度と比較的短め。
事務、Web、IT、介護・福祉などの分野があり、子育て中の方に配慮した短時間訓練コースが用意されているのも特徴です。
求職者支援訓練
主に、雇用保険を受給できない方を対象とした訓練です。
基礎的なスキルを学ぶコースから、実践的な内容まであり、条件を満たせば、給付金を受けながら受講できる場合もあります。
職業訓練で取れる資格・スキル
職業訓練では、資格取得だけでなく、実際の仕事に役立つスキルを身につけることができます。
・パソコン系(Word・Excel・MOS など)
・事務・経理系
・介護職員初任者研修
・保育士(※条件あり)
・医療事務
・Web・デザイン系 など
地域や時期によって内容は異なりますが、今後の働き方を考えたときに役立つ資格やスキルを習得できる場が用意されています。
学校に通いながら、保育士・介護士の資格も目指せる

職業訓練の中には、学校に通いながら、保育士や介護士の資格取得を目指せるコースもあります。
どちらも子育ての経験を活かしやすい仕事のため、「子どもが少し大きくなったら、保育や介護の仕事をしてみたい」と考えるママにとって、現実的な選択肢のひとつです。
実習や通学が必要な場合もありますが、託児サービス付訓練もあるので、一人で抱え込まず、まずは相談してみましょう。
私が職業訓練を受けたとき

私が職業訓練を受けたのは、コロナ禍の真っ只中でした。
当時は子どもを通園させておらず、私が毎日決まった時間に通学する訓練は現実的ではありませんでした。
そこで選んだのが、eラーニングで受講し、MOS(Microsoft Office Specialist)の資格を取得する訓練です。
動画教材を見ながら自分のペースで進められ、子どものお昼寝時間や隙間時間を使って学習できました。
また、月に1〜2回は対面での講義があり、その際は義母に子どもを預けて学びに行っていました。
自宅学習を基本にしながら、必要なときだけ周囲のサポートを借りられたことも、無理なく続けられた理由のひとつです。
「今はフルタイムで働けなくてもいい」「できることから、少しずつ準備していけばいい」。
そう思えるようになった、大切な時間でした。
取得した資格をどう活かしているのか
MOSの資格を取ったことで、すぐに劇的に人生が変わったわけではありませんが、WordやExcelを使った資料作成、イベントのチラシ作り、講座資料の作成、Webライターとしての仕事など、今の活動の土台になっています。
「パソコンが使える」という自信は、求人に応募するときにも大きな安心材料になりました。
資格そのもの以上に、学び直した経験とやればできるという実感が、今の自分を支えてくれていると感じています。
子育て中だからこそ、知ってほしい制度

職業訓練は、「バリバリ働ける人のための制度」ではありませんが、子育てで一度キャリアを立ち止まった人や環境の変化で働き方を見直したい人、これからの選択肢を増やしておきたい人にこそ、知ってほしい制度だと感じています。
「今すぐ動かなくてもいい」「選択肢を知っているだけでもいい」。
そんな気持ちで、職業訓練という選択肢を、心の片隅に置いてもらえたら嬉しいです。


