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編集部のライターたちが書き下ろした
富山での子育てに役立つ情報をまとめています

育児
2020.09.08

【kids Q&A】娘が夫になつかない

発達、しつけ、睡眠…子育てをしていると悩みがつきませんよね。
幼児の子育ての悩みを専門家にお聞きしました。
このページは、はっぴーママ富山版に掲載している「ようこそ! こどものせかいへ」の過去に掲載した記事の中から抜粋してお届けします。

お悩み ● 4歳児のママより
娘が夫になついていないので夫も子育てには協力的ではありません。どうすればよいでしょうか。

 

まずは夫婦で話し合い
日々子育てに頑張っている苦労を少しでもわかって手助けしてほしいのに、伝わらないもどかしさ、お察しいたします。
でも、頭ごなしに「もっと子育てに関わって」と言ってもお父さんは反発するか、逃げてしまうかもしれません。
お父さんの存在はお母さんと同様とても大きいことを、まずは夫婦間で共通理解することが第一歩です。子育ての土台は、お母さんとお父さんの仲がよいこと、なんでも話し合える雰囲気があることです。そのことが、お子さんにも伝わっていきます。

子どもへの関わり
なついていないのは、今までお父さんと関わって楽しかった経験が不足していることが原因と思います。そもそも「なつく」というのは「慣れて親しむ」という意味です。お子さんにとってお父さんの存在が希薄、あるいは緊張感を伴っていればなつくのは難しいでしょう。
ですが、お子さんの心の中に、本当はお父さんに見てほしい、かまってほしい、認めてほしい気持ちがあると思います。
また、「子育てに協力的でない」「すぐ怒る」「話を聞いてくれない」などのお母さんの不満が、お子さんにも伝わって、お父さんに対するネガティブなイメージになっている場合もあるかもしれません。
そうではなくポジティブに、「お父さんは、○ちゃんのために働いてくれているんだね」「お父さん、○ちゃんが縄跳び跳べたの、とても喜んでいたよ」などとお父さんがお子さんのことをきちんと考えていることを繰り返し伝えていくと、お子さんも安心すると思います。

お父さんへの関わり
お父さんは、お子さんと関わろうとしたのにうまく関われず、意気消沈というのが本当のところなのではないでしょうか。例えば、お子さんがお母さんとの愛着形成を経て、人見知りが出てくると「お父さんを見て大泣きしお母さんの後ろに隠れる」などといった姿があったかもしれません。すると、お父さんは嫌われたと思い落ち込んでしまい一層消極的になります。
さらに、4歳になり女の子の遊びを好むようになってくると、お父さんは一緒に何をして遊べばよいのかわからず、途方にくれることもあるでしょう。
普段お子さんとの関わりが無いのに、叱るときだけお父さんの出番ということでは、お父さんもお子さんも互いによくないイメージをもつだけで終わってしまうかもしれません。
そこで、お父さん自身が子育てをして楽しかったという経験を増やせるように工夫します。お父さんが得意なことで、お子さんも興味をもつようなことを一緒にやってみるのもよいでしょう。
また、子育てといっても子どもと関わることだけではありません。家事、習い事の送迎、お母さんの話を丁寧に聞くことも全て含まれます。要はお父さんも家庭生活を支える一員として何かを担うということです。少しでもできたら、(うまくできていなくても)ほめることが大切。そして、お子さんにもお父さんの頑張りを伝え、よいイメージをもつことができるようにします。
お母さんの気持ちがお子さんに伝わり、そのことがお父さんにも伝わっていくことで、お父さんも共に子育てを楽しむようになっていただけると幸いです。

(2014冬vol.51号掲載)

開 仁志先生

金沢星稜大学 人間科学部こども学科教授
小学校、幼稚園、富山短期大学、富山国際大学教員を経て現職。富山大学大学院教育学研究科修了、修士(教育学)。南砺市在住。
●専門分野 保育学(保育者養成)
●担当授業 保育者論、幼児教育実習