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編集部のライターたちが書き下ろした
富山での子育てに役立つ情報をまとめています

育児
2022.01.25

【kids Q&A】悪い言葉づかいを直すには

発達、しつけ、睡眠…子育てをしていると悩みがつきませんよね。
幼児の子育ての悩みを専門家にお聞きしました。
このページは、はっぴーママ富山版に掲載している「ようこそ! こどものせかいへ」の過去に掲載した記事の中から抜粋してお届けします。

お悩み ● 4歳児のママより
幼稚園で覚えてくるのか、言葉づかいが悪いのが気になります。注意してもなかなか直りません。そのうち直るのでしょうか。

 

みんなと同じようにやりたい
4歳児になると、気の合う友達が増えてきます。誰かが何かを始めると他の子も同じことをしたくなる気持ちが出てくるのです。「大好きな○君がしている(言っている)ことだから、楽しいこと(いいこと)に違いない」と考え、一緒に遊んだり関わったりする中で、一層仲良くなっていきます。それまでは、お母さんや先生の影響が大きかったところに、友達の影響も大きくなってくる成長のプロセスと言ってよいでしょう。
同年齢の子ばかりではなく、年上の子の影響もあります。自分にはできないことができる年上の子がやっていることは、かっこよく見えるので、善悪は考えずに真似することも出てくるでしょう。

注意しても直らない理由
言葉づかいが悪いとのことです。ですが、多分、お子さんにとっては、悪気が無く使っていることが多いのではないでしょうか。
なぜ悪いのかわからないまま注意されても、同じことを繰り返します。友達同士では何気なく使っている言葉だとすれば、不適切な言葉を使っていても、仲間内では、全く困りません。むしろ、同じような言葉づかいをすることで、仲間ということを感じているのです。
そんな時に、言葉の使い方だけを注意するということは、友達と関わることを否定したことになりかねません。お子さんにとっては、自分のやり方を「だめ」と否定だけされる形になるので、「じゃあどうすればいいの?他のやり方わからないよ」「しゃべっちゃだめってこと?」と混乱します。親に怒られることよりも、友達と遊べなくなることのほうが大問題と感じれば、言葉の使い方は直りません。

評価ではなく気持ちを伝える
4歳児は、自分を「見て」「認めて」という思いが強くなる時期です。「一番になりたい」という思いも強くなってきます。それなのに、自分の思いは受け止められず、表現の仕方だけを注意されたら、嫌な気持ちしか残らないのかもしれません。
ですから、言葉についてよい、悪いと評価をするのではなく、自分の気持ちを素直に伝えてみるほうが、より人と人の自然なコミュニケーションになると思います。「そんな言葉使っちゃだめでしょ」ではなく、「そんな言い方されたら、悲しくなるな」という言い方です。素直に自分の言葉で伝えます。
また、少しずつ周りが見えてくる時期ですから、相手の気持ちを代弁したり、「どんな気持ちになるかな?」とお子さんなりに考えられるよう促したりしてもよいでしょう。

具体的に伝え、モデルになる
どんなふうに言えばよいのか、わかりやすく具体的に伝えていくこともよいでしょう。年下の子には優しい言い方、年上の方には丁寧な言い方等、相手に合わせた言い方があることも、親がモデルとなりながら一緒に学んでいきます。
さらに、絵本などを一緒に読んでいくと、語彙が増えていくと思います。
そして、ふさわしい言い方ができた時に、「優しく言ってくれたから、きっと○○ちゃんうれしいと思うよ」等と、相手の気持ちに気付くことができるような言葉をかけます。そのような経験の積み重ねを通して、どんな言葉を使ったらよいか、自分で考えるようになっていくと思います。

(2016冬vol.59号掲載)

開 仁志先生

金沢星稜大学 人間科学部こども学科教授
小学校、幼稚園、富山短期大学、富山国際大学教員を経て現職。富山大学大学院教育学研究科修了、修士(教育学)。南砺市在住。
●専門分野 保育学(保育者養成)
●担当授業 保育者論、幼児教育実習