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編集部のライターたちが書き下ろした
富山での子育てに役立つ情報をまとめています

育児
2022.05.02

【kids Q&A】引っ込み思案の直し方

発達、しつけ、睡眠…子育てをしていると悩みがつきませんよね。
幼児の子育ての悩みを専門家にお聞きしました。
このページは、はっぴーママ富山版に掲載している「ようこそ! こどものせかいへ」の過去に掲載した記事の中から抜粋してお届けします。

お悩み ● 6歳児のママより
子どもの引っ込み思案なところを直したいのですが、どうすればよいですか。

 
 
引っ込み思案と思う場面
 お母さんが引っ込み思案と思われる場面は、どのような場面でしょうか。お子さんに求める姿によって、気になるところも変わってきます。例えば、子どもは「元気なもの」と思っていれば大人しい姿が気になりますし、「素直で言うことを聞くもの」と思えば、活発すぎる姿が気になります。自分がどのような子ども像をもつのか、どんな姿になってほしいと思っているのか、まず考えてみてもよいかもしれません。
 
 
新しいことに挑戦しない
 新しいことに出会ってわくわくしてうれしくなる人と、ドキドキして不安になる人がいます。
 もしかしたら、お子さんは過去に失敗して人に笑われた経験があるのかもしれません。
 また、大人が「失敗してもいいからやってごらん」と口では言いながら、子どもが気乗りせず心の準備もできていないのに、急かせてやらせて、いざ失敗すると、「あなたがびくびくしているからできないの、もっと堂々と真面目にやりなさい」などと結局は叱った口調になると、新しいことに挑戦しようという気持ちは起きませんよね。
 新しいことに挑戦するときには、「自分にもできそう」というちょっとした自信と、「あんなふうにすればいいんだ」というある程度の見通しが必要です。
 慎重なお子さんであれば、まず、友達の様子をじっくり見てやり方を学んだ上で、簡単にできることからやってみることがおすすめです。そして、自分からやる気になったタイミングで、「きっとできるよ」「ちゃんと見ているよ」と励ましの言葉をかけてあげてください。そして、できた成果ではなく、頑張っている努力をほめると、失敗してもちゃんと見守ってくれていると感じ、安心感をもって挑戦できます。
 
 
人見知りがある
 家族や親しい人とは話すことができるのに、知らない人や大勢の前ではあまり話せなくなる。内弁慶な子は、打ち解けるまでに時間がかかるかもしれませんが、打ち解ければ、それだけ深い関係を築くことができるということかもしれません。
 人見知りをするということは、それだけ慎重であり安全志向とも言えます。これは、じっくり考えてから行動するよい面と考えることもできます。
 まずは、大人同士が親しくしている姿を見せることだと思います。大好きなお母さんが親しい人だと安心感をもてます。また、無理に初めから話させようとせず、聞き役から始めてはいかがでしょうか。会話は話し手と聞き手がいて成り立つのです。相手が何を考えているのか、どんな人なのかがわかってくると、自分を出しても大丈夫と安心できるでしょう。
 
 
大勢の前で話すことが苦手
 親しい少人数の前で話し、他の人が話を聞いてくれた経験を増やすことから始めるとよいでしょう。また、注目されることが大好きな人もいれば、苦手な人もいるものです。自分に注目されるのが苦手であれば、何か道具を使って、注目をそらすという手があります。大人でも、「画面を見ながらお聞きください。手元の資料をご覧ください」と言った方が少し気軽に話せるのではないでしょうか。ですから、人形を使ったり、絵本や紙芝居を読んだりするなど、自分以外に注目されるものを用いてみるのも一つの方法でしょう。
 

(2017夏vol.61号掲載)

開 仁志先生

金沢星稜大学 人間科学部こども学科教授
小学校、幼稚園、富山短期大学、富山国際大学教員を経て現職。富山大学大学院教育学研究科修了、修士(教育学)。南砺市在住。
●専門分野 保育学(保育者養成)
●担当授業 保育者論、幼児教育実習