ヘルスケア 0〜2歳 3〜6歳 小学1〜3年 小学4〜6年

【第1回】眠りの専門家に聞く!大事な睡眠の話

この連載では、眠りの専門家が睡眠について、毎日の子育てや妊娠生活の中で、「知っておくと安心できること」「今だからこそ大切にしてほしいこと」などを分かりやすくお届けします。

今回は、子どもの夜泣きについてです。
寝室の環境や寝具が、子どもにとって本当に快適かどうかを立ち止まって確認する機会は、意外と少ないのではないでしょうか。

監修:株式会社エムール睡眠・生活研究所
所長 神川康子

国立大学法人富山大学名誉教授、博士(学術)、一般社団法人日本睡眠改善協講会理事、日本眠育協議会理事、株式会社エムール睡眠・生活研究所所長。

3月15日は「世界睡眠の日」

世界睡眠医学協会が定めた毎年3月の「世界睡眠の日」は、心身の健康を保つうえで、睡眠がいかに大切かを改めて考えるための日です。世界的に睡眠の悩みは共通の課題となっており、家族や職場、社会全体で、質の良い睡眠を目指すことが呼びかけられています。

とくに日本は、世界的に見ても睡眠時間が短く、質も十分とは言えない状況にあります。
そのため日本では、日本睡眠学会と睡眠健康推進機構が9月3日も「ぐっすり(good sleep)」にかけた睡眠の日と制定し、季節の変わり目に眠りを見直す機会としています。

睡眠に関する研究はまだ発展途上ですが、人々の健康と生活の質を支える視点として、これからも伝え続けていく必要がある分野です。

子どもにとって本当に快適な睡眠環境とは

大人は心身の不調を言葉にし、自分に合わないものを試行錯誤しながら変えることができます。しかし、乳幼児や小さな子どもは、自分の眠りの困りごとを言葉で伝えることができません。

寝室の環境や寝具も、大人の感覚や都合で選ばれ、子どもにとって本当に快適かどうかを確認する機会は、意外と少ないのではないでしょうか。

夜泣きに悩むママ・パパへ

子育ての中で、親の大きな悩みのひとつが夜泣きです。
夜間に何度も起こされる状況が続くと、心身ともに疲弊してしまうのは無理もありません。
眠りが浅いタイミングでは、一晩の中で何度か、声を出したり泣いたりすることがあります。

これは必ずしも異常なことではありません。
眠りの浅い子どもは、抱っこで寝かしつけても、下ろした途端に目を覚ましてしまうことがあります。
このような場合、すぐに抱っこやあやしを行わず、5分から10分ほど様子を見ることが勧められます。

体調不良や痛みなど、明らかな原因がない場合には、少し待つことで再び自分で眠りに戻ることも少なくありません。すぐに抱っこする習慣が続くと、眠りが浅くなりやすく、結果として保護者の負担も大きくなります。

昼間は、十分なスキンシップや抱っこで安心感を与え、夜は自分で眠る経験を積み重ねていくことが、親子双方にとって無理のない眠りにつながります。

同室就寝だからこそ見守る姿勢を

日本では、子どもと同室で眠る家庭が多く、夜中の泣き声が気になりやすい環境です。

それでも、すぐに対応するのではなく、子どもが自分で眠りに戻る力を信じて見守ることも大切です。

夜間の授乳についても、成長とともに空腹以外の理由で目を覚ますことが増えてきます。
生活リズムを整える視点から、月齢に応じて少しずつ見直していくことが、昼夜の区別を身につける助けになります。

子どもの成長を支える眠りの環境づくり

子どもの睡眠は、成長や発達に欠かせないものです。とくに胎児期や乳幼児期の睡眠習慣は、脳の発達とも深く関係していることが、徐々に明らかになってきています。

完璧な環境を整える必要はありません。
まずは、安心して眠れる空間になっているか、または生活リズムが大きく乱れていないかを意識することから始めてみてください。

親子で無理をせず、良い眠りが得られる環境を少しずつ整えていくことが、子育てを長く支える土台になります。